【第99話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その20)

トピックス ◆◆ 東北関東大震災の情報提供にコミュニティ放送が大活躍 ◆◆ 未曽有の大災害である今回の東北関東大地震では、被災者にもっとも求められているのが情報だ。総務省は「臨時災害FM放送局」を速やかに地方自治体へ免許し、現在15の放送局が情報…

【第98話】 デジタルラジオのかたち・私論  (その19)

トピック ◆◆ NHKラジオ・民放ラジオが5月から共同キャンペーン展開 ◆◆「はじめまして、ラジオです。」というタイトルで高校生を中心に、NHKと在京民放5局がラジオ共同キャンペーンを5月より展開する。第1回は5月15日若者が集まる渋谷でイベント…

【第97話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その18)

トピック ◆◆ 民放ラジオ番組をNHKラジオが来る4月から放送 ◆◆ NHKラジオ4月編成では、民放ローカルラジオの人気番組をレギュラー番組として紹介する。放送開始は3月29日よりで、番組名は「亀淵昭信のにっぽん全国ラジオめぐり」。この取り組みは…

【第96話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その17)

トピック ◆◆NHKラジオが2011年度中にネット配信開始の予定◆◆ NHKは去る2月16日の定例記者会見で、ラジオのインターネット同時配信を2011年度中に開始することを公表した。ネット配信はNHK業務範囲を超える可能性があり、法改正の必要が…

【第95話】デジタルラジオのかたち・私論 (その16)

トピック ◆◆全国の民放FM52局が「auスマートフォン」で聴取可能に!◆◆ KDDIと沖縄セルラー電話は1月26日よりネット回線を通じ、auスマートフォンなどで全国の民放FM52局が聴けるサービスを開始した。J−WAVEは3月15日から開始予定…

【第94話】デジタルラジオのかたち・私論 (その15)

■ “多様性のあるラジオ”実現のための法整備が近い! 去る1月20日民間放送連盟は、総務省に対してマスメディア集中排除原則(マス排)の緩和を求める要望書を提出した。そのなかで注目されるのは、ラジオとテレビを別々の基準とし、ラジオにはこのマス排の撤…

【第93話】デジタルラジオのかたち・私論 (その14)

■ 日本のラジオは多様な放送が苦手なのか? ラジオの将来を考える時、どうしても壁にぶつかる時がある。それは多様なラジオの放送形態が生み出し難い環境である。ラジオばかりではなく、テレビも新聞も雑誌も同様である。ちょっと例をあげよう。たとえば、テ…

【第92話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その13)

■ 2011年とデジタルラジオの行方! 時代はいよいよ21世紀初頭の10年が過ぎた。社会が大きく変化するなかで、マスメディアの世界では特にインターネットによる影響でマスメディアの衰退が進行している。なかでもラジオメディアが最も影響を受け、今後…

【第91話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その12)

■ ラジオの衰退の原因は何か! 前項では、民間放送全体の事業背景に、利益追求と制作力の低下が根底にあったのではないか、ということについて触れた。ここでは、ラジオ衰退の要因であるラジオ広告費減少の推移とリスナーのラジオ離れについて、どのような経…

【第90話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その11)

■ インターネットに取り組むマスメディア 先日、東京のラジオ局幹部と話をした折り、次に登場するラジオについて彼はこう語っていた。もう「デジタルラジオ」とは言わないでしょう。これからは「マルチメディア放送」ですと。ラジオ放送界ではこれからのラジ…

【第89話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その10)

ここ3話は、4大マスメディアの大きな変化の実情をさまざまな角度からスポットを当てた近著を紹介している。著書のほとんどはインーネットに詳しく、かつてマスメディアに携わった経験を持つ方が多いが、この項終わりに、マスメディアをマーケティングの立…

【第88話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その9)

(c)インーネットのテレビへの影響 (前回よりつづき)インーネットによる日本のテレビの変化は、今後大きなうねりとなりそうである。アメリカでは一歩先んじて様々な現象が生まれている。そこで、アメリカの現状と変化の姿を取り上げた書籍を紹介する。ア…

【第87話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その8)

―この項は前回よりのつづきー(b)アメリカ新聞界の現状レポート&著書日本の新聞の低迷を戸別宅配の現状やアメリカの現状からレポートしているのが「新聞・TVが消える日」(猪熊建夫著/集英社新書2009年)だ。日本の新聞市場はこの10年、縮小傾向を辿…

【第86話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その7)

これまで、デジタル化されるメディア環境を、社会情報基盤の視点やマスメディアの情報伝達の変化、受け手の情報収集の変化などから触れてきたが、これからはしばらくマスメディアを取巻く環境変化について、最近の放送や書籍、雑誌のレポートを点描し、ラジ…

【第85話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その6)

■ ラジオメディアの地位の低下 ラジオはマスメディアだろうか。この問いに対して、一般的にはどのように受け止められているであろうか。ラジオがリビングの中央に鎮座していた時代、ステレオの登場によるFMラジオが全盛の時代、トランジスタラジオによる移…

【第84回】 デジタルラジオのかたち・私論 (その5)

■ ラジオは今でもマスメディアか! 4回にわたってラジオを取り巻くデジタル環境、ネット環境などからラジオメディアの現状を見つめてきたが、もう1つ大切なのはラジオがこれまでと同様にマスメディアであるか、という問いである。これは今後デジタルラジオを…

【第83話】 デジタルラジオのかたち:私論 (その4)

■ メディアの進化による伝達の変容 デジタルラジオを考えるのに、これまでのラジオ論の延長から探っていくのではなく、デジタル化された情報社会のなかで眺めることが必要と思う。その意味で前回は情報の伝達システムからその変化に触れてみた。今回は情報の…

 【82】 デジタルラジオのかたち:私論 (その3)

■ メディアのデジタル化は情報の伝わり方を変える! 社会情報基盤がデジタル化になった現在そしてこれからは、メディアがどのように変化していくのであろうか。もちろんこの変化が分かれば苦労はないが、どのメディアも五里霧中で手探り状態である。少しでも…

【第81話】 デジタルラジオのかたち・私論 (その2)

■ デジタル社会のアナログラジオとデジタルラジオ 社会情報基盤(インフラ)のデジタル化とともに動き出したデジタルラジオ(マルチメディア放送)の未来は、コミュニティFM(CFM)にとっても大きな課題である。しかも現在の県域ラジオが将来デジタル化…

【第80話】 デジタルラジオのかたち・私論(その1)

■ ラジオの現状をどのように捉えるのか つい先日、週刊「エコノミスト」(8月10日号)にラジオが特集された。見出しは《ラジオの復権》という。「ラジコ」というIPサイマルラジオの開始により、これまで離れていたリスナーが戻ってきた様子を報じながら…

第70話 NHK朝ドラ「つばさ」を見終って!

長い夏休みをいただき、ブログはしばらくお休みしておりました。毎回お読み下さる皆様に大変ご迷惑をお掛けいたしました。ここでお詫びを申し上げつと共に、これからもコミュニティFM放送のメディア理解と向上に努力して行きたいと思います。何卒よろしく…

第69話 NHK朝ドラ「つばさ」にみるCFM

■ コミュニティ放送の暖かさとリスナーの交流 7月11日(土)の「つばさ」をみて、ああ、この番組のプロデュサーやディレターもやっとCFM局の本質が少し分ってきたのかな、という場面に出会いました。それはこうです。「つばさ」は広域ラジオの人気パー…

第68話 あるCFMパーソナリティの経験則 その2

■ 今回は前回に引き続き、レディオ湘南(エフエム藤沢)の番組「ざいつきげんの音楽鍋」を担当されている財津紀元さんが指摘している、CFM局のパーソナリティの番組づくりについてご紹介いたしましょう。今回はパーソナリティのディレター(番組制作)と…

第67話 あるCFMパーソナリティの経験則

□ 「はてなブログ」に一ヵ月ほどログインできず、書き換えができませんでした。読者の方々にお詫びを申し上げます。 □ さて、先日、レディオ湘南(藤沢エフエム放送)で14年パーソナリティを続けておられる方にお会いしました。財津紀元さんです。彼は長寿…

第66話 FM戸塚の開局とNHK朝ドラ「つばさ」

□ NHK朝の連続ドラマ「つばさ」が4月からスタートしました。そして、今年の前期には「FM戸塚」をはじめ、コミュニティFM放送局(CFM局)が全国に5局ほど開設されました。この二つは何の関係もないのですが、ただ「つばさ」の内容が主役「つばさ…

第65話 総務省はコミュニティFM放送の増力を検討!

■CFM局期待の電波増力はなるか? CFM局を運営している経営者にとって、現状出力20Wを少しでも増力したいのは、偽らざる心情です。過去に関西のCFM局が勝手に増力して放送し、電波法違反の問われた事件があり、CFM業界を驚かせました。それほ…

〔第64話〕 「コミュニティ放送の日」を創りましょう!

■ ラジオ離れするリスナー対策はいかに! 民放連に加盟する広域ラジオ(県域ラジオ)は今年に入り101局統一キャンペーンを展開しました。「ラジオがやってくる!」というテーマで1月〜2月にかけて、全国のAM/FM局すべてが参加して行ったキャンペー…

〔第63話〕 イギリスのCFM放送の現状

■ イギリスのCFMをご存知ですか イギリスにCFMがあるそうです。我々はイギリスというとBBCとITVぐらいしか知りませんが、ラジオの分野にもコミュニティFM放送があり、「コミュニティ・ラジオ」というようです。では、このコミュニティ・ラジオ…

〔第62話〕 コミュニティ放送がPHSケイタイとドッキング!

□ コミュニティ放送のネットラジオ〔サイマルラジオ〕がスマートフォン(ウィルコム)にサイマル放送を開始しました。音楽が使われたCFM番組をPHSに配信するのは今回がはじめてのケースです。ラジオがいよいよケイタイ電話の一角で聴けるような時代に…

第61話 CFM局が地元密着度を示す指標があったら!

□ CFMは地域と密着したラジオであることは当然ですが、各局がどの程度地元に密着しているか、となると指標や尺度がないので難しいところです。自治体の広報、防災、福祉情報や地域スポーツ、商店街の情報を伝えていればよいのでしょうか。また住民である…